美味しい朝食

誰のために生きてる? 檸檬のラブ・ソング#3

檸檬 30歳
フリーのイラストレーター
好きな映画:ローマの休日


実家に帰って

5日目の朝、

やっと

家族と同じ時間に

起きれるようになった。

テーブルに並べられた

朝食。

焼き立てパンに、

野菜とスクランブルエッグ

体にいいと

言われている乳酸菌飲料、

ヨーグルトに果物。

みんなと比べて量は少なめで、

パンは

一口サイズに切ってあった。

半分しか

開かない口で

出来るだけ

残さないように、

ゆっくり噛んで食べた。

帰ってきてから

ずっと、

体が重く

何もする気になれなかった。

でも、

今日は天気が良いので

外で過ごしてみようかな。

太陽の光があたって

ぴかぴか光る

芝生を見ていると

なんだかまぶしい…

少し抵抗があったけど

誘われるように

裸足で歩いてみた。

子供の頃は

兄妹で

よく走りまわっていたなぁ。

大の字に

寝転んでみる 。

目を閉じて、

身体全体で

太陽のぬくもりを感じた。

はぁ〜〜〜〜

しばらく

そうしていると

だんだん

余計な何かが無くなって

心が軽くなってきた。

なんか無理してたなぁ…私。

誰かに

認められたくて必死だった。

誰か…誰でもない何かに。

気がついたら

自分が

自分で無くなっていて。

自分らしく

生きてると思ってたけど…

いつのまにか

ひとが

求めてる

自分を演じてしまってた。

求められることが嬉しくて。

いったい

自分らしいって

なんなんだろうなぁ…

今の

私には

まったくわからない。