スナック

他人家族。 麗花のラブ・ソング#3

麗花 57歳
スナック経営
好きな色:赤


ある晩、

街で出会った美歌は

とても若いのに

孤独を抱えていた。

まるで

昔の自分を見ているようだった。

本当の気持ちを

抑えこんで生きている。

どこに流れていくのか

とても心配になったので

私の店で働いてもらうことにした。

美歌が来てくれてからは

娘が出来たみたいで

とても嬉しく、心が満たされた。

彼女も居場所を見つけて

ホッとしたのか

可愛い

笑顔を見せるようになった。

仲の良い姉妹のように

楽しい時間を共にし

かれこれ

5年の月日を一緒に過ごした。

この春から美歌は、

本格的に歌の道をいく

というので、

店を辞めさせることにした。

美歌のことは

自分の子供のように

感じていたので

送りだすのは、正直寂しい。

でも、若く傷ついた

昔の私が

強くたくましく成長し

前を向いて歩きだすのを

見ているようで嬉しい。

そろそろ、私も

古い

自分を脱ぎ捨てて

新しい

自分に生まれ変わらなければ。