心と体の不一致

心と体の不一致。 凛のラブ・ソング#2

32歳
モデル
好きな女優:ローレンバコール


目が醒めると、
そこは

見たこともない場所だった。

足元は少し

ヌカルんでいた。

いつのまにか

私は

トレーニングウエアを

着ていた。

ハシレ!

私の気持ちなんて

お構いなしに、

体が勝手に走りだした。

ぬかるみから

脱出しようと

急げば急ぐほど

沈んでいった。

オヨゲ!

目の前には

広く深い海が

果てしなく広がっていた。

溺れて

しまわないように、

ひたすら泳ぎ続けた。

泳ぎ疲れて

海底に

沈んでいきそうになったとき

ハシレ!

いつのまにか

山の中にいた。

あたりは

木々が生い茂り

真っ暗だった。

月明かりに

照らされた道を

つまずかないように

そっと…。

なんてことは通用せず、

足は勝手に動いていく。


オヨゲ!

視界が

ひらけると

川が流れていた。

かなりの

急流だったけれど、

思い切って飛び込んだ。

上手に

スピードに乗っている

自分に

驚きつつも

快感を

覚えながら流されていった。

ハシレ!

海沿いの

遊歩道を走っていた。

体は

限界まで来ていたけれど

心はとても清々しかった。

体は

使うためにあるんだ。

次第に

薄っすらと明るくなり

水平線から

オレンジ色の

太陽が顔を出した。

私は

自ら止まった。

朝日の光を
正面から浴びたかったから。

全身が

オレンジ色に染まって、

太陽と一緒になった。