嫉妬心

欲望の底なし沼。 凛のラブ・ソング#1

凛 32歳
モデル
好きな女優:ローレンバコール

今、最も旬な
銀座のブランドレストランで

打ち上げパーティが行われた。

オシャレなインテリアに
美味しい料理。

洒落たリズムの音色。

自分を美しく魅せる
オシャレな衣装に身を包み、

優雅に、誇らしげに。

気の利いた会話を楽しんでいた。

キャリアも長く
人当たりも良いせいか、

私の周りには大勢の人がいて、

話の中心になることが
当たり前になっている。

気の合う仲間との語らいは、
とても刺激的で
楽しい時間なんだけど、

最近、ふっとした瞬間に、
遠くから自分を見ていることがあるの。

自分の周りで複雑に絡み合う、
様々な色の視線が
飛び交っているのが見える。

一番キレイと言われたい
すべての人から愛されたい、という欲望と

その心を利用し、
ビジネスで成功させようという野望とが

滑らかに結合し、巨大な
渦巻状の怪物を産み出し続けている。

薄い空気に息苦しくなり、
ひとり、店から飛び出した。

タクシーを止めようと、
ふらつきながら車道に出ると

けたたましいクラクションに、
体を粉々にされた。

どうにか家までたどり着き、

自分でファスナーもおろせない、
体にはりついた
違和感まみれのドレスを

引き裂かれる音を聞きながら、
脱ぎ捨てた。

熱いシャワーを頭から浴び、
体のヌメリを洗い流した。

「はぁー。」

やっとの思いで
真っ白なシーツに横たわると

大地に吸い込まれていくように
深い眠りに落ちた。